テストセンターは企業が入社志望者に対して行う適性検査のこと。検査結果に合格ラインを設けている会社もあります。対策不足の場合、内定が遠のいてしまいます。本記事では、就活をする上で避けられないテストセンターへの対策方法や、受験時の注意点を紹介します。
テストセンターとは
テストセンターは企業が行う適性検査で、専用会場で受験します。主にSPI試験がテストセンターの内容ですが、他の受験方法と異なる点があるため受験前に確認しておきましょう。
また試験当日の忘れ物や準備の不備があると受験できないこともあるので、テストそのものへの対策はもちろん、持ち物チェックや注意点の確認も忘れないでください。
テストセンターとは
テストセンターとは企業が就活生に対して行う適性検査で、リクルートが開発したSPI試験が主に出題されます。
SPI試験にはパソコンを使い自宅で受験するものや筆記試験など様々な受験方法がありますが、テストセンターでは企業が用意した会場で受験します。大学のセンター試験をイメージするとわかりやすいでしょう。
テストセンターの会場はあくまで企業が用意したものであり、志望企業そのもので受験するのではありません。しかしテストセンターには他の就活生も多くいるので、社会人としての自覚を持ちマナーを守って行動しましょう。
テストセンターの特徴
テストセンターには下記の4つの特徴があります。
【テスト会場で受ける】
Web受験と違い好きなタイミングで受けられません。試験当日に向けてコンディションを整えましょう。
【出題内容が他のSPI試験と違うことがある】
企業によっては他の受験方法には英語検査があります。
【各問題に制限時間がある】
能力検査は35分、英語検査は20分です。さらに1問ごとの制限時間も決まっており、時間が過ぎると未回答でも次の問題へ飛ばされてしまいます。
【受験後1年間はテスト結果を再利用できる】
忙しく何度も受験できない人はテスト結果を再利用しましょう。ただし点数などを知ることはできないので、再利用するテスト結果は慎重に選んでください。
受ける方法
テストセンターの受験が必要な場合、志望企業から受験案内のメールが届きます。会場の予約はWeb上で行えるので、志望企業から連絡があったら早めに対応し希望の日時と会場を確保しましょう。
試験会場では性格検査の受検後に発行される受験票と、運転免許証や学生証などの顔写真付きの本人確認書類を提示しなければなりません。
試験当日の日付は本人確認書類の有効期限内かを確認し、受験票は印刷したものを持参しましょう。もし印刷できない場合は「テストセンターID」「カナ氏名」「検査名」「会場名」「日程」「ターム」をA4サイズの紙に転記したものを持参してください。
テストセンターの問題内容
テストセンターの問題には「言語」「非言語」「英語」があり、試験とは別に性格検査もあります。英語は企業によって出題されない場合がありますが、言語と非言語、性格検査はすべての企業で出題されます。
対策をはじめる前に各問題の内容を把握しておきましょう。
言語
語句や熟語の知識を問う問題や、長文読解が主に出題されます。学生の国語のテストをイメージすると分かりやすいでしょう。
語句に関する問題では指定された単語の類義語や反意語を答えたり、熟語の意味を適切に答えたりします。長文読解では文章内の空欄に適切な言葉や文章を入れられるか、文章が主張していることを正しく読み取れるかなどが見られます。
物事を正確に読み取る能力が試される検査です。
非言語
非言語では、限られた情報の中から正しい選択肢を推論する問題や、数学的な問題が出題されます。平均の求め方や速度の求め方など、受験する前に数学の公式を振り返っておくと良いでしょう。
数字や計算を正しく処理する能力や、与えられた情報から物事を論理的に考える能力を見られます。
答えの求め方にはパターンがあるので、練習を繰り返すことでより早くより正確に答えられるようになるでしょう。
英語
英単語の意味を答える問題や、長文読解が出題されます。なお英語検査はテストセンターのみの項目で、Web検査やペーパーテスティングなど他の受験方法では出題されません。
英語検査が必要なのは一部企業で、業務の中で英語を使う場面の多い企業が出題することが多く、英語をあまり使わない企業からは出題されません。受験前に英語検査が含まれているか確認しておきましょう。
性格検査
志望者がどのような人物で、組織や業務に適性があるかを見る検査です。性格検査は会場での受験ではなく、事前にWeb上で受験します。
「他人といるよりも1人でいる方が好きだ」「周りに遠慮せず思ったことはすぐいうタイプだ」などの質問に対して、自分がどの程度当てはまるかを回答していきます。
なお嘘の回答をしても他の回答データから分かるようになっており、志望企業に嘘の回答をしたことを知られてしまうこともあるので、正直に答えましょう。
テストセンターの勉強方法
次に、テストセンターの勉強方法を検査ごとに解説します。本番の雰囲気に慣れる方法や公式の模試も紹介するので、問題が解けるようになってきたら挑戦してみてください。
言語問題は長文になれるようにする
テスト対策の勉強だけでなく、普段から文章を読むことに慣れておきましょう。文章を読むことに慣れていないと、課題文を読むだけで時間がかかってしまいます。
文章を読みながら著者は何を主張しているのか、主張の根拠はどの部分に書いてあるのかなどを考えながら読むことで、素早く正確な読解ができるようになります。文章に慣れてきたら練習問題を解いてみて、実力を把握しつつ改善点を見つけてください。
非言語は推論に重点をあてる
非言語検査の数学的な問題は公式を振り返るだけである程度の対策ができます。回答に時間がかかりやすく、慣れが必要な推論を重点的に対策しましょう。
推論問題の答え方や考え方にはパターンがあり、練習問題を解いたり解説を読んだりしていくうちに自然とパターンが身に付いていきます。慣れないうちは1問に時間がかかってしまいますが、練習を繰り返すことでスピードは上がっていきます。
1冊を繰り返し解く
問題集を何冊も解くことも大切ですが、1冊を1回で終わりにせず繰り返し何度も解きましょう。
回答に制限時間のあるテストセンターでは出題パターンに慣れ、何度も練習して解き方を体に覚えさせることが重要です。1冊を何度も解くうちに、はじめは解説を読んでも理解できなかった問題が分かるようになったり、苦手な分野が分かるようになったりします。
苦手な部分は重点的に対策し、得意な問題はより早く解けるように何度も練習してください。
志望していない企業で受けて慣れておく
テストセンターを受けられるのは1社につき1回ですが、テストセンターそのものに受験回数の制限はありませんし受験料金も不要です。志望度の高くない企業で受けてみて、本番の雰囲気に慣れておくこともおすすめです。
問題集だけでは本番の雰囲気は分かりません。練習を繰り返して問題の解き方が万全になっても、本番の雰囲気に飲まれて実力を出せなければ意味がありません。
志望度の高い企業ではじめて本番のテストセンターを受けるのは避けるようにしましょう。
模試を受ける
テストセンターを開発したリクルートから公式の模試を受けることができます。問題集だけでなく公式模試を体験しておきましょう。
リクナビのIDがあれば上記Webページから各検査の模試を受けられます。リクルートは就職業界ではかなり大手で就職関連の様々なサービスを行っています。まだIDを持っていないのなら、模試を受けるためにも登録しておきましょう。
テストセンターでの注意点
次に、テストセンターを受ける前に気を付けておくべきことを解説します。受験当日は時間に余裕を持って出かけることはもちろん、必要な準備を忘れないよう気を付けましょう。
また急に会場に行けなくなってしまった場合の対処法も紹介します。
性格検査は受けてから
性格検査は会場ではなく、テストセンター当日前に受けておかなければなりません。
性格検査はパソコンやスマートフォンを使い、Web上から好きなタイミングで受けられるので早めに済ませておきましょう。
なお性格検査後に発行される受験票がテストセンター当日に必要です。受験票を印刷したものか、内容をA4の紙に書き写したものが会場に持参しなければならないので、性格検査が終わったら忘れないようすぐに用意してください。
キャンセルの期日
テストセンターの受験キャンセルは、試験開始の1時間前までならWeb上で行えます。試験開始が1時間以内の場合は電話などで会場に直接問い合わせてください。
なお各会場の連絡先は受験票と「受験予約完了メール」に載っています。「受験予約完了メール」は削除しないように気を付けましょう。
テストセンターを受ける際の注意点
練習と本番ではかかるプレッシャーが違います。
勉強の成果を発揮するために大切なことや、テストセンター本番での注意点を解説するので、本番で実力を出せるように備えましょう。
時間に影響されすぎないこと
制限時間を気にし過ぎて焦らないように気を付けましょう。本番ならではの緊張やプレッシャーもかかるので、想像以上に制限時間が気になるはずです。
焦りは正常な思考力を奪い、ケアレスミスを誘発します。実力を出し切るために落ち着いて問題を解いてください。本番で焦らないために練習問題を解くときも時間を測ったり制限時間を設けたりしましょう。
集中する
自宅で1人練習問題を解くのと、大勢の受検者と一緒に会場で問題を解くのは違います。他の受検者が気になって集中できないかもしれません。
特にテストセンターのような重要な場面では、普段は気にならない他人の些細な動作や咳払いなどが気になってしまうこともあるでしょう。1度集中力が切れてしまうと気持ちを切り替えるのは難しいので、目の前の検査画面だけに集中するよう心がけてください。
苦手なところを特に勉強する
テストセンター本番を迎える前に、不安や苦手はすべて解消しておきましょう。
練習通りに本番をこなせる人は少ないです。個人差はありますが、本番で実力を100%発揮できないと考えて練習に取り組んだ方が安全です。
実力が完全に出せない状況でも問題を解けるように、苦手な部分は特に勉強と練習を繰り返してください。
テストセンターにおすすめの問題集
テストセンター対策におすすめの問題集を3冊紹介します。
初心者向けのものから上級者向けのもの、英語を重点的に対策したい人向けのものまで紹介するので、自分に合った問題集を繰り返し解きましょう。
テストセンターにおすすめの問題集1
テストセンターの問題集を何冊も出し、Amazonで何度も高評価を獲得している「SPIノートの会」が作成した最新問題集です。
難易度は低めで解説も丁寧なので、テストセンターにまだ慣れていない人の入門用としておすすめできます。SPIノートの会の最新問題集の中でもテストセンターに特化した問題集なので、効率よく勉強できるでしょう。
テストセンターにおすすめの問題集2
これが本当のSPI3テストセンターだ!と比べて難易度が高めで問題数が多い問題集です。問題数が増えた分解説量が減っているので最初の1冊には向きませんが、解説の内容自体は分かりやすいので勉強に慣れてきた人におすすめできます。
英語検査や性格検査にも対応している点も魅力です。
テストセンターにおすすめの問題集3
若干古くテストセンター専用ではありませんが、テストセンターにも対応可能な就職英語の問題集です。
問題と解説はもちろん、英文法の説明や就職英語の特徴も収録されているので英語検査を重点的に対策したい人におすすめです。
テストセンター試験に
企業は入社志望者の適性や能力を知り、より効果的な面接をするためにテストセンターを活用しています。
テストセンターを活用する企業の中には合格ラインを設定している会社もあるので、テストセンターへの対策は十分に取るべきです。事前の準備と勉強を怠らず、万全の態勢でテストセンターに臨みましょう。
また、あなたの就活をサポートしてくれる就活サービスが数多く存在しています。自分に合った就活サービスを見つけ、有効に活用することで、あなたにとって最高の企業の内定を獲得していきましょう。
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