実際の会社での就業体験を通じて、仕事や企業、業界への理解を深められるインターンシップ。本選考に有利になったりインターン中に内定が出たりと、近年の就活では特に重要となってきました。22卒の場合、サマーインターンシップは遅れがちのスケジュールとなったので、秋や冬のインターンシップへの参加でも十分間に合います。
インターンに参加するときに選考がある場合もあり、インターンの応募や面接時に求められる「志望動機」は、就活初期の学生が特に苦戦する項目です。
本記事では「志望動機の書き方がわからない・思いつかない」という就活生に向けて、インターンでの志望動機の書き方について、例文も合わせて解説していきます。
インターンでの志望動機の考え方
学生の中には「インターンに参加したいけれど、志望理由がない」という人も多いはず。志望動機が浮かばないのは、インターンに参加する意味を見つけられていないからではないでしょうか。
インターンは業界や仕事について体験して、理想と実際の仕事が乖離していないかを確かめる機会にもなります。志望動機を考える際はまず、「将来やりたいことは何か」を考えてみましょう。
将来やりたいことがある場合
すでに将来やりたいことがはっきりしている場合は、やりたいことを軸に志望動機を考えることがおすすめです。志望動機を考える時は「なぜそれをしたいか」「そう思ったきっかけや経験は何か」「特に何をやりたいか」を深堀りしてみましょう。
「広告でまだ知られていない新しいサービスを広めたい」「グローバルに活躍できる人材になりたい」「ITで日本の技術の発展に貢献したい」など、すでにやりたいことがある場合を考えましょう。より深堀りして「なぜ・何をやりたいか」を明確にすると、「広告で新しいサービスを広めたい」から「広告の営業ができる貴社のインターンを志望しています」という、説得力のある志望動機に落とし込めます。
やりたいことがわからない場合は自己分析をしよう
将来やりたいことがわからない場合は、インターン参加の前に自己分析を行いましょう。
自己分析が重要な理由は2つあります。1つ目は軸や目的がないインターンは時間の無駄になってしまうこと。2つ目は、インターンでは選考の時点で「何のために参加するか」という目的意識や「なぜそれがしたいか」の理由を評価されるからです。
よく「インターンで色々な仕事を経験してやりたいことをみつける」という意見もありますが、数多くの仕事がある中で自分の軸や目的もなくインターンに参加しても、自分の価値観に合うかを見極められません。
明確なやりたいことが見つからなくても、まずは「好きなこと」「ありたい姿」「やりたくないこと」など、自分がどの業界や仕事に興味があるか考えてからインターンを探しましょう。「将来何をしたいのかわからない」という方は、まずは自己分析を行うことから始めましょう。
志望動機を書く前にできる準備
志望動機はただ自分のやりたいことを書くだけではいけません。インターンの志望動機では、あなたが「なぜ志望するか」という理由に加え、企業の仕事や求める条件を知ることで、企業に合った志望動機を作ることが重要です。
次に、志望動機を書き始める前にやっておきたい準備について解説していきます。
企業研究をしっかりする
志望動機では、「なぜこの会社で働きたいと思ったのか」という「この会社でしかできないこと」を伝えることが不可欠です。そのため、志望動機を書く前にはインターンに参加したい企業の特徴や仕事の内容について調べておきましょう。
同じ業界や職種でも企業によって仕事内容や力を入れている分野が異なります。例えば、同じ営業のインターンでも企業向け(BtoB)に提案をする営業と一般消費者(BtoC)向けの営業は、仕事内容も営業のスタイルも異なります。どちらが自分のやりたいことなのか考え、希望する営業方法で働ける会社を選びましょう。
また、志望動機には「企業がどのような人材を求めているのか」を考え、企業にとって魅力的な学生と思われる志望理由を含めることがおすすめです。企業が求める人材を知るためにも企業研究が必須です。求人ページなどを確認し、どのような人材が求められているのか把握しましょう。
OB・OG訪問をする
企業への理解を深めるために、志望する企業の社員にOB・OG訪問をするのも手です。
OB・OG訪問では、説明会やホームページではわからない魅力を知れたり、実際の現場のリアルな話を聞けたり、運が良ければ人事に紹介してもらえたりします。ホームページに載っていない情報を志望動機に加えることで、企業に「よく調べているやる気のある学生」と印象付けができるかもしれません。
OB・OG訪問をしたい場合は、大学のキャリアセンターに問い合わせたり、他大学の社会人にも話を聞けるOB訪問サービスを利用したりしましょう。OB・OG訪問をお願いする時や訪問時のマナーは「OB訪問ってどうしたらいいの?アポの取り方や質問例などを紹介」の記事で予習をするのがおすすめです。
インターンの内容について理解する
企業について調べるだけではなく、企業が実施するインターンの内容についても知る必要があります。
インターンにはいくつか種類があり、説明会に近い「1Dayインターン」、グループ課題など選考の一貫になる「短期インターン」、実際に仕事をする「長期インターン」があります。また、募集している職種も営業、マーケティング、エンジニアなど様々です。
インターンの内容を知らずに志望動機を書くと、募集内容とは異なる的外れな志望動機になってしまうので、志望動機を書く前に自分の参加したいインターンはどんな内容かをよく調べてから書きましょう。
志望動機の作り方
やりたいことの深堀りや企業研究が終わったら、実際に志望動機を文章にしてみましょう。
志望動機は選考において企業がとても重視するポイントで、他の学生との差別化することが大切です。多くの応募者と比較される中で、企業の印象に残る志望動機の作り方のポイントをご紹介します。
結論となる志望した理由をはじめに書く
志望動機を書くときには、結論から書くことがポイントです。なぜその企業に入りたいのか、志望動機を最初の一文で伝えましょう。
エントリーシートでは原因や経過から書く人が多いですが、「志望動機は〇〇です」と話の要点を最初に簡潔にまとめ、伝えたいことのゴールを提示してから、その後に理由を伝えることで、文章を理解しやすくなります。
例えば、「貴社の〇〇に魅力を感じ、志望しました」「〇〇に携わりたく、志望しました」など、1文で簡潔にまとめると良いでしょう。
インターンで何を学びやりたいのかを書く
志望動機ではインターンに参加する目的を伝えることも重要です。インターンで何を学び、どのような経験を積みたいのかを伝えることで、企業は学生のやる気や目的意識を評価します。
始めに書いた志望動機に沿って、インターンでやりたいこと、学びたいことを考えましょう。希望している経験が積めるのかわからない場合は、採用ページを見たり、OB・OG訪問で聞いてみたり、面接の時に人事に直接聞いてみたりするといいでしょう。
「将来どんな仕事・どんな姿を実現する」ために「インターンでどのような経験を積みたい」から貴社を志望しました、と将来を見据えて「インターンシップで何を学びたいのか」を伝えましょう。
もしインターンに参加できた場合の意気込みを書く
志望動機には実際にインターンに参加できた場合の意気込みや心意気を書くのもおすすめです。選考書類を見た時に「こんなやる気のある学生と一緒に仕事をしたい」と思わせることで、企業の印象に残りやすくなります。
例えば、「率先して業務や業界の知識を学ぶ」「誰よりも行動する」などのインターンに取り組む姿勢や、「インターンで1番の営業成績をとる」などの具体的な数字を提示しても良いでしょう。
志望動機では企業に「仕事の中でどのように活躍するか」をイメージさせることも重要なポイントになるので、やる気のある学生、活躍する学生と印象付けられるように具体的な行動を含めることが重要です。
志望動機の例文
では、実際にインターンの志望動機はどのように書けば良いのでしょうか。
「自分やりたいこと」や「意気込み」「企業研究」など、これまで説明してきたポイントや書き方をふまえて、異なる業界や職種での志望動機の例文をNG例も交えてご紹介していきます。
志望動機のNG例
まずは、志望動機としてあまりよくない例を確認していきましょう。
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<広告会社でのインターンの志望動機>
私は人に影響を与えることが好きです。
大学時代は広告研究会に所属して映像作品の制作や広告会社のインターンを通して、人が広告や映像で心を動かされることに感動し、もっと多くの人に影響を与える仕事がしたいと思うようになりました。
貴社のインターンで動画広告の制作に携わり、動画広告の仕組みの理解やスキルを身に付けたいです。
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広告会社でのよくある志望動機ですが、初めの一文で「何をしたいのか」を伝えられておらず、「人に影響を与える仕事」が漠然としています。同じく「日本のIT化に貢献したい」「人の役に立つ仕事がしたい」などの漠然とした志望動機は、「なぜそれがしたくて、どんな仕事を通してそれを成し遂げたいか」をもっと深堀りすることがおすすめです。
志望動機の良い例文1
次に、良い志望動機の例文を紹介します。
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<IT企業でのインターンの志望動機>
業務効率化で企業を支援したいという想いから、貴社のインターンシップを志望します。
私はアルバイトでアプリでのシフト管理を提案し、管理や業務効率を向上させた経験から、仕事を効率化して重要な仕事やクリエイティブな仕事に時間を使える世界を目指しています。
しかし、最初は店長もITの導入を渋っていて、新しく使ってもらうために営業提案の必要性を感じました。中小企業への業務効率化システムの会社で、特に営業に力を入れている貴社のインターンを通じて、必要な人にサービスを魅力的に伝え、実際に使ってもらえるスキルを身に付けたいと考えています。
インターンに参加できた暁には、先輩の営業に積極的に同行し、自身の営業提案に生かしたいです。
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このように、インターンに明確な目的がある場合は「何がしたいか」「なぜそれをしたいか」を詳しく書くことがポイントです。
志望動機の良い例文2
明確な職種がない場合は、自分が勉強していることや興味があることを軸にした志望動機を書くこともおすすめです。
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<コンサルティング会社でのインターンの志望動機>
私が貴社のインターンを志望した理由は、経営の知識と思考力を試したいからです。
貴社の社員の方とお会いしたところ、どの方も思考力が高く、企業の課題を的確に分析して解決策を出しており、自身の思考力や問題解決能力に課題を感じました。また、現在大学で経営の勉強をしており、インターンを通して大学で学んだ知識が実際の仕事で役に立つのかを知りたいと思っています。
貴社は私が研究している地方企業のコンサルティングに力を入れており、今回のインターンでは実際のコンサルティングの体験ができることから、ぜひ自分の力を試させていただきたく応募いたしました。
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このように、インターンの目的やどのように行動するかを書くことで、真剣に考えて応募していることが伝わります。
説得力のある志望動機を書いてインターンシップに参加しよう
最近では、インターン中に内定が出る内定直結型インターンも増えており、インターンに参加することは選考を有利に進めるためにも重要な項目となっています。特に長期インターンは選考を有利に進めるためだけでなく、これからの仕事について考え、社会を知るといった点においても大きな意味を持つでしょう。
インターンの選考を通過するためには、志望動機が重要です。自分の将来やりたいことの深堀りをすること、事前の企業研究、OB・OG訪問をして、自分なりのインターンの目的とその企業に合った志望動機を考えましょう。自己分析や企業研究をじっくり行い、あなたらしい志望動機を考えてみてください。
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